2014年03月22日

水仙と白いカーテンの思い出



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まだ少し肌寒い春日の中で、穏やかな思い出があります。
フランスとイギリスを旅行した時のことです。
パリの郊外、バルビゾンに画家のエリカ・ガジエという
友人がいるので、まず彼女の家を訪れることにしました。

3月の中旬ごろの季節、エリカの家の庭のあちらこちらには
黄色のラッパ水仙が咲いていました。また小さなサクラ草も
ピンクや紫の花の顔を出し、春のまだ冷たい風のなかで
素敵な光景に出会えたのでした。

エリカのキッチンルームは白木と白の木綿レースで
コーディネートしてあり、カーテンの下の部分は
手作りレース仕立てのもので、それはとてもさわやかです。
2ヶ所に窓があるのですが、白木のバーにカーテンが取り付けられ、
とても清潔な感じです。

エリカに「白いカーテンが素敵で、キッチンが素晴らしいわ」と伝えると
「このカーテンは私のママがつくってくれた大切なものなの。
誉めてくれてありがとう」と説明してくれました。

その窓辺からは庭が見えます。
エリカは絵を描くことに疲れると、この窓辺にいすを持ってきて、
ママのカーテン越しに庭を見るのが大好きと話してくれました。

少し風邪気味の私に、はちみつと薬を混ぜたものをスプーンいっぱいに盛り、
飲ませてくれたのもこの白いカーテンのそばでした。

その後、イギリスに入りロンドンから約5時間、車で走り湖水地方へ。
小さなオーベルジュの素敵なホテルへ向かいました。
途中、草原をいくつも通り抜けるのですが、古い教会や建物、
そしてクリーム色や黄色のラッパ水仙の道が見事に続くのです。
このホテルのティールームにも出窓があり、やはり白の木綿レース仕立ての
カーテンが取り付けてありました。レース越しの光を浴びながら、
何度もティーのお代わりをし、ゆっくりとした午前中を過ごしたのです。
そばの暖炉では、木々がパチパチと音を立てて燃えていました。


(連載エッセイ より)

写真は2014年3月コーディネーションアカデミージャパン オータニ校にて撮影
 
 
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